いよいよCD発売が2日後となりました。
どのミュージシャンもそうですが、僕らも同じように色んな思いが詰まったCDになってます。
色んな人に聴いてもらいたい。
手にとって歌詞やジャケットの隅々まで見てもらいたい。
それを踏まえて共感であったり、関心を深めてもらえたら、こんな嬉しい事はない。
そして今日はそんな色々なこだわりの中から、ジャケットについて記しておこうと思う。
このジャケットに登場している猫なんですが、実はうちの飼い猫です。
ただ単に猫ジャケが好きなのは勿論ある。
でもそれだけじゃない。
この猫は7年前に夏の台風の中、小さな公園で親とはぐれて鳴いているところを、うちの姉が拾ってきました。
まだ目も開いておらず、生後一週間も経っていない赤ん坊。
すぐに病院に連れていくものの、猫風邪をひいて体が弱っており、もう時間の問題と言われました。
それでも何かの縁で我が家にやったきたのなら生きてもらいたい。
そこから毎日クーラーもつけずに、夜中であろうが2時間毎に餌と便の世話をする日々が続き、なんとか100gになり、また200gへと成長していきました。
もうそれはそれは色んな人に助けてもらい、ミルクやらカイロやらをみんな持ち寄ってくれました。
そうやって医者も驚くくらいにミャーミャー鳴いて走りまわるようになり、先住猫二匹にちょっかいをかけては追いかけられる毎日。
とまぁそんな毎日が一年経とうかという時に、リンパ腫になった。
余命三ヶ月。
濱口の前でも嗚咽しながら話した事を思い出す。
でもなんとかうちに来てからの1歳の誕生日は迎えたのですが、その4日後に亡くなってしまいました。
名前を「幌」といいます。
大事なものを包むって意味でね。
濱口が覚えてるかはわからんけど、「いつか幌をジャケットにしてあげたいな〜」って言ってて、今回CDのデザインを諸々任される事になり、名前に対する意味合いと、曲に対する意味合いが共通であるという事で、今回こういったジャケットを選びました。
とまぁジャケットに関してはこうやって話してみないとわからんけど、その他諸々は僕らの育ったルーツみたいなものがちゃんとCDに出てると思います。
でも全国発売といえど、まだまだうちらは駆け出しなんで入荷のない店もあると思う。
実際に予約しようとしたら、発売日から遅れての入荷になると言われた店舗もあったそうです。
でもその人は「自分の手にとって買いたい」と言ってくれて凄く嬉しかった。
ワンクリックでなんでも買える世の中ではあるけれど、やっぱりその人と同じように出来るだけ多くの感覚を感じて買ってもらいたい。
店頭に並んでること。店員さんとのやりとり。封を開ける感触。歌詞カードを目で追うこと。再生する瞬間。
これは音楽に対する触れ方やけど、他のどんな事に関してもこういった感覚を大事にしてもらいたい。
色んな事が便利になり、本当は無くてもよかった物がヒットする時代。
共感してもらえるのなら、五感を使うという事を減らさずに、これからも使い続けていってもらいたい。
そういった思いも含めて、是非誰かにこのCDを手に取ってもらいたい。
よろしくです。
坂本竜哉
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